予防接種とは、ウイルスや細菌などの病原体を極めて弱くしたもの(生ワクチン)、病原体の一部だけを取り出したもの(不活化ワクチン)、無毒化した毒素(トキソイド)などの免疫源を投与しておくことにより、その感染症に対する抵抗力(免疫)をつくることです。投与するものをワクチンと言います。
予防接種の目的は、
1.自分がかからないため
2.かかっても症状が軽くてすむため
3.まわりの人にうつさないため
です。
1.と2.は、ワクチン接種を受ける本人のためです。 3.は、おなかの赤ちゃん、ワクチンを接種できる年齢に達してない弟や妹やお友達、病気でワクチンを接種できない人などを守ってあげるためです。
ワクチンを接種するより、自然にかかった方が良いという誤解がありますが、かかると今でも治療が難しくて、命にかかわる病気だからこそ、ワクチンが作られています。「ワクチンで防げる病気」を、VPD(Vaccine Preventable Diseases)と呼びます。
VPDはみな、命にかかわる重大な病気です。今でも日本では、子どもも大人も毎年多くの人がVPDに感染して苦しんだり、後遺症が残ったり、死亡しています。予防接種制度が遅れている日本では、小児科医の多くが「ワクチンさえ接種していれば、こんなことにならなかったのに」と思ったことがあります。大事なお子さんがVPDにかかり、重い後遺症が残ったり、死亡したりしたら…。ご家族の無念さや心痛は、とても言い表せません。これらの事例が報道されることはないので、予防接種のデメリットばかりに目が行きがちです。
世界中には、とてもたくさんの感染症があります。その中で、予防のためのワクチンがあるVPDは、たいへん少数です。防ぐ方法のある病気なのに、防がない。これはもったいなく残念なことです。
多くのワクチンを限られた乳幼児期に接種する必要があります。ワクチンのスケジュールを立てるのに、下記のホームページが参考になるのでご覧ください。なお、複数のワクチンを一度に接種する同時接種を行う医療機関と行わない医療機関がありますので、かかりつけ医に事前にご確認ください。
また、2015年4月より、八王子市、町田市、日野市、多摩市、稲城市において、定期予防接種の相互乗り入れが可能となりました。他市で接種する場合は、母子手帳と住所を確認できるもの(健康保険証・医療証など)が必要となります。
八王子市の予防接種については、八王子市のホームページをご覧ください。
予防接種について疑問点・スケジュールについては、「KNOW★VPD!」も参考になります。
スケジュールについては、日本小児科学会の推奨するものもあります。